消費者金融大手のアイフルが、事業再生ADRに追い込まれてからまもなく4年。返済期限まであと10カ月しかないが、1620億円の巨額債務が重くのしかかる。
2014年7月10日──。まさしくこの日が、消費者金融大手アイフルの“運命の日”となる。
09年9月、過払い金返還の急増により経営が悪化したアイフルは、私的整理の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)に追い込まれた。
同年12月のADRの成立により、金融機関64社からの借入金合計2721億円のうち760億円を分割返済すれば、残りの債務1961億円は返済を5年間猶予(10年3月末時点)してもらえることになり、経営再建を進めてきた。
その債務の弁済期限が、来年の7月10日というわけだ。つまり、アイフルにとって、この日までに残りの債務を全額返済するか、借り換えするか、もしくは誰かが債務を肩代わりしてくれなければ法的整理、すなわち、破綻に突き進むしかなくなる。
では、足元の返済状況はどうか。先述の通り、14年6月末までに760億円を返済する計画だが、今年6月末時点ですでに936億円を返済しており、計画を上回っている。結果、残債は1785億円にまで減少し、来年6月末には1620億円となる予定だ(図(1))。
ここまで弁済額を上積みできた最大の理由は、大規模なリストラによる営業費用の削減だ。