叱っても、何も変わらない部下に

 叱っても何も変わらない部下っていますよね。「はい!」といつも返事はいいのだけど、何も変わらない。
 このような部下に対しては、「がんばるって言いながら、何もしないじゃないか!」「君は返事だけだな!」と叱責してしまいがちです。
 しかし、このような叱責をしてもほとんどの部下は変わらないでしょう。

 このように叱っても何も変わらないのには、次のいずれかの要因が考えられます。

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. 具体的に何をしたらいいのかわからない
 部下に自分で考えさせることは大切です。でも、部下自身にどうしても策が浮かばない場合もあります。そんなときは、上司から具体的な指示やアドバイスが必要です。

2. 変わりたくないと思っている
 この場合、「~すべきだ」「変わるのは義務だ」といった「べき論」を用いてはいけません。「べき論」は使い方を間違えると、人格否定にもつながりかねませんので、ご注意ください。
「変わりたくないというのは、何かあるのかな?」と質問したうえで、解決を図るようにしましょう。
 最終的に説得する場合でも、「変わらないことのデメリット」よりも「変わることのメリット」に目を向けさせるといいでしょう。

3. 何か、やれない原因がある
 この「何か」を本人がわかっている場合と、わかっていない場合があります。わかっているのに変わらないのは、やはり何か事情があるはずです。
 そのようなときは、上司のかつての失敗体験を自己開示しましょう。そうすることで、部下に安心感を与えます。「この上司になら、相談しても大丈夫だろう」と思わせ、話を引き出すのです。
 なお、本人がわかっていない場合は、「何か、困っていることはない?」と一緒に固まりをほぐして原因を明らかにしていきましょう。