第4回のテーマは、部下を立ち直らせる励まし方、部下にやる気と気づきを与える伝え方です。ミスをして落ち込んでいる部下、成績が悪い部下、反発してくる年上の部下、個人ばかりでチームを意識しない次期リーダー候補の部下など、「手を焼く部下」も言葉しだいで、自発的に動いてくれます。
ミスをした部下は1度しか叱らない
ミスをした部下に対して、叱責を続けるのはよくありません。部下は疲弊し、やる気をなくしてしまいます。場合によってはメンタルヘルスの問題を引き起こし、そのあげくに退職してしまうことになりかねません。
行動改善を促すために一度叱ったら、その後は次の3点を意識して、落ち込みから解放してあげるように試みましょう。
1. 上司みずから過去の失敗談を話す
そもそも、失敗をしたことがないような完璧な上司の言うことより、自分の過去の失敗を開示してくれた上司の話のほうが部下の心に響きます。
2. 未来志向で話す
過去は変えられません。ミスをしたこと自体、もうどうにもなりません。過去を持ち出して否定しても何の解決策にもなりませんが、未来は変えられます。
「つらいかもしれないけど、これを乗り越えれば、これまで以上に自信が持てるよ」というように、未来へ向けて話すべきです。
3. 気持ちをねぎらい改善策を一緒に考える
そもそも大きなミスをした部下は反省しているので、それ以上叱る必要はありません。つらい気持ちに共感し、ねぎらうことが必要です。そのうえで改善策を一緒に考えていけばいいのです。
なおその後、小さな改善や変化が見られたときは、意識的に褒めるようにしていきましょう。