打たれ弱い部下には「安心感」を与えよう

 上司としてはそんなに厳しく叱っているつもりはないのに、打たれ弱く、ひどく落ち込んでしまう部下がいます。
 こんなタイプの部下に「そんなことぐらいで落ち込むな」と言っても、何の効果もありません。特にこのタイプの部下は小さなことでも気にしすぎるうえ、物ごとを深刻に考えすぎてしまう傾向があります。

 このようなタイプの部下に対しては、次の3点を心がけるとよいでしょう。

1. 叱る内容は1つにする
 このタイプの部下に限らず、一度にいろいろなことを言われると、誰でも嫌になってしまいます。
 この場をどう切り抜けたらいいかという意識ばかりになってしまい、どこから直したらいいかの優先順位付けも難しくなってしまいます。

2.「アメとムシ」理論を使う
 褒める「アメ」と、重要度の低いものは叱らないという「無視」「アメとムシ」理論です。小さなことは叱らずにスル―します。
 本来もっと重要なことを叱るべきなのに、あまり重要でない細かいことを必要以上に叱ると、直すべきことの優先順位を間違えてしまいます。
 また、部下によっては叱られ続けていくうちに、「叱られないように無難なことだけやっておけばいいや」というようになってしまいます。

3. 叱る基準を明確にしておく
 このタイプは、必要以上に叱られるのを恐れています。そういった意味でも、上司はどんなときに、どんなことが起こったら叱るのかを明確にしておく必要があります。そうすることで、不要なプレッシャーから解放してあげられます。

 この3点に注意しても、落ち込んでしまう場合もあります。そんなときは、「ここだけ直せば大丈夫だよ」と告げたり、ミスの影響がそんなに大きなものではないということを伝え、安心感を与える必要があります。