他人に責任をなすりつける部下に

 ミスをしても他の人のせいにしてしまう部下はいます。このような部下に「他人のせいにするな!」と言っても何の解決にもなりません。

 そもそも、なぜ、その部下は他の人に責任をなすりつけるのでしょうか。その原因は、減点主義が蔓延しているからです。

 部下は減点されたくないから責任を逃れたいと思って、他人のせいにしてしまうのです。このような部下に対して、責任を追及しようとしても反発を招くだけです。

 次のような手順で話すといいでしょう。

1. 同意も否定もしないで話を受け止める
「岡田さんが、間違っていたんです」――このように責任を他の人になすりつけてきた場合、「何を言っているんだ!」「他の人のせいにするな!」と叱りつけるのではなく、まずは「そうか」とただ受け止めましょう。

2. 過去志向ではなく、未来志向で質問する
 ミスした原因を追及する「なぜ、間違ったのか?」という過去志向で質問するのではなく、未来志向で質問するといいでしょう。
 未来志向の質問とは、「もし、あなたにも少し責任があるとしたら?」といった仮定質問です。

 仮定質問なら、やんわりと自分の責任に気づいてくれます。あくまでも、あなたのミスを追及しているわけではない、ミスをなくす対策を一緒に考えていこうといった安心感を与える質問の仕方がいいでしょう。


◆ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ◆

『部下のやる気を引き出す 上司のちょっとした言い回し――聞き方・褒め方・頼み方・伝え方・叱り方…すぐに使える150フレーズ』吉田幸弘 著
好評発売中!

部下をその気にさせる効果的なひと言

 ちょっとした言い方、言い回しで、部下はやる気を出せば、逆にクサらせてしまうこともあります。
 相槌の打ち方・聞き方・褒め方・頼み方・励まし方・伝え方・叱り方――シーン別にどんな言い回しをしたらいいか、また困った部下に対しての効果的なひと言を、豊富な事例を交えて解説します。

四六判並製・248ページ・本体1400円(+税)

ご購入はこちらから!→ [Amazon.co.jp] [紀伊國屋書店BookWeb] [楽天ブックス]