政治家、官僚は利権に目ざとい。もちろん民間経営者にとっても同じだ。ただし、利権がはびこると社会がおかしくなる。
メディアは気付かない既得権確保
利権は制度や慣習に基づいている。制度は一見もっともらしい。しかし、外的環境も変わっていると、当初には合理性のあったものも時とともに不合理になっていく。しかし、利権があると、もっともらしくその目的をかえて存続していく。
その好例が外為資金だ。今国会で、特会法改正案が提出される。それをみると、露骨なまでの既得権確保になっている。
法案については、財務省のサイトに「特別会計に関する法律等の一部を改正する等の法律案」として掲載されている。新聞報道もあまりなされずに、特会の数が減るなどとの表面的なことしか書かれていない。マスコミは、法律案の概要しか読まないので、そうした報道になってしまう。概要で、新聞で書かれそうなところは以下のとおりだ。
・交付税及び譲与税配付金特別会計交通安全対策特別交付金勘定を廃止。
・年金特別会計の国民年金勘定に、福祉年金勘定を統合。
・食料安定供給特別会計に、農業共済再保険特別会計、漁船再保険及び漁業共済保険特別会計を統合。また、関連する勘定を統合するとともに、農業経営基盤強化勘定を一般会計化。
・社会資本整備事業特別会計を一般会計化(空港整備勘定は経過勘定として自動車安全特別会計に統合)。
・国債整理基金特別会計の事務費を一般会計へ移管するとともに、前倒債の発行収入金の翌年度歳入化の規定を整備。
・外国為替資金特別会計の積立金を廃止するとともに、金融市場の進展等を踏まえた運用効率の向上のための規定を整備。