国際金融の中心は、ロンドンからニューヨークへ。
そのきっかけは?
不換紙幣は信用に問題がありますが、「戦争に勝てば、敗戦国から賠償金を取り立てて国庫の穴埋めができる、だから大丈夫!」と説明しました。
ところが戦争が長期化し、各国は物資の不足に苦しみます。しかし、アメリカは別でした。中立を宣言して戦場にならなかったアメリカは生産をフル稼働し、欧州諸国へ軍需物資を輸出します。貿易代金はドル決済で、ニューヨークの銀行へ振り込まれました。このとき、国際金融の中心は、ロンドンのシティから、ニューヨークのウォール街へと移ったのです。
日本も戦場にならなかったので、欧州向け輸出で好景気になります。代金は、日本企業がロンドンの銀行に開いた口座へ金で振り込まれました。
アメリカ産の物資は世界中に流れましたが、圧倒的海軍力で制海権を握ったイギリスが海上封鎖を行ったため、ドイツへの輸出は断たれます。食糧不足が深刻となったドイツは、海上封鎖を打開するために潜水艦による民間船舶への無差別攻撃を開始。これがアメリカの参戦を招き、ドイツは敗戦に追い込まれました。