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シーレーン封鎖なら数億人が危機
中国が抱えるエネルギー供給の脆弱性
中国が尖閣諸島や沖縄などの領有権を主張しているが、「中国の視点」に立つと別の景色が見えてくる。仮に好戦的な政権が米国に誕生し、現在中国が確保しているアジアのシーレーンを奪われた場合、中国にとっては国家存亡の危機となり、共産党の崩壊につながりかねない。
一般に、人間の生命維持に関わるエネルギーや食料の輸送に関して、中国の海上輸送依存度は80%を超えるとされている。もしシーレーンが封鎖された場合、2億人~3億人が必要とする食料品が確保できないことになる。
エネルギーに関しても原油の80%を輸入に頼っており、10億人以上の生活に影響が出る。天然ガスは40%が輸入であり、単純計算では5億人程度の生活に影響が出るが、中国北部はガス暖房への切り替えが進んでおり、経済的な損失はさらに大きくなるだろう。
国内供給が90%近い石炭はリスクが小さいエネルギーと言えるが、電力を多量に消費する中国沿岸部の経済圏は、インドネシア、ロシア、オーストラリアからの石炭輸入に依存しているため、産業全体ヘの影響がかなり大きい。つまり、シーレーンが封鎖された場合、中国のほぼ全ての国民が影響を受けることが予想される。
中国政府は、そうしたリスクを低減する努力を続けており、電気自動車(EV)ヘのシフトもその一環と考えられる。







