ギトマーは、大学を中退し、アパレルの会社に勤めたり、会社を起こしたりしたが、失敗しつづけた後に、成功哲学に触れ、セールスマンとして大成功した。彼は、成功する為の売り方、考え方、自身の鍛え方、説得力の鍛え方等々を数々の本に纏め、現在でも米国を中心に欧米諸国で年間100回近くの講演活動を行っており、現在最も人気の講師として殿堂入りもしている、現在68歳。ちなみに、今回の特別な講習会に集まったのは主に米国で実績のある人材啓発のプロばかりで、みな一匹狼。独りで億単位も稼ぐ連中が70人も集まった(私を除いて)。

 日本には、人間関係は、接待・接待・接待と考えている営業部長さん達がいまだ多いようだが、そんなものはギトマーからしたら化石時代の営業だ。現代の“営業の神様”は営業科学(Sales Science)と世にある役に立つ道具は何でも率先して使い、誰よりも早く、その道具の効能を利用して、さらなるNo.1営業、No.1メンター(哲学的指導者)を目指している。

iPadで最高のセミナー体験を演出するアプリ

 さて、その3日間の講習中にずっと使われたのがiPad Mini。初日に全員に渡され、各自に割り振られたIDでログインした瞬間、中央のプレゼンテーション画面に映し出された、Google Earthの5大陸に続々とピンが立っていった。北米のピンが圧倒的に多く、東京にも一本のピンが立った。これが私のピンである。参加者全員を直接巻き込み、一目で70人の参加者がどこから来たのかが分かる感動的な演出だった。

 さらに、次の瞬間、地球儀が消え、参加者の名前が、画面の中を動き回り、やがて、その名前の文字列がギトマー社のロゴの形に収斂していく。セミナーやプレゼンのプロ中のプロが集まった講習会で、オープニングから誰もが“WaoH”“オオッ!”と歓声を上げたのだから凄い。

 後でわかったが、このプレゼンの演出にはMAGENCYというフランスの企業のiPadアプリが使われていた。

 その後3日間、この道具が、メモ、入力、アンケート調査、創造的回答、そして最後の資格取得試験の入力等々に適宜使われた。ここまでインタラクティブに説得力をもって講習会に猛者達を真剣に巻き込むこと(Engagement)が可能な道具とそのつくり手に感動した。種を明かせばMAGENCYのCEOはプロのマジシャンだった。社名を見ればそれも納得。彼は、マジックでお客様をどう熱狂させるのかを知っており、その全ての経験がこのインタラクティブなシステムを産んだのだろう。

 また、今回集まった70名の中で、70%の人が使っていたのが、パーソナル・ブランディングのためのウェブサービス“ACE of SALES”だった。

 名刺交換をすると、ここに集まった一匹狼の猛者達は、実に個性的で、金のかかった名刺を差し出してくる。ギトマーも強調しているが、パーソナル・ブランディングが大事なのだ。会社を売るのではなく、自分を売り込むこと。その為に自分をブランディングすることが営業で勝ち残る為には必須である。米国のトップセールスパーソン(今回半分弱は女性)で、しかもギトマーを信奉する人達にとってはまさに”常識“なのだろう。

 会社のロゴの入った名刺を持つことが常識の日本のサラリーマンは、自分ではなく会社を売ることを良しとしている存在だ。もはや会社は運命共同体ではないにもかかわらず!!