衆院財政金融委員会:
「出口」を例示した黒田日銀総裁

 黒田日銀総裁はこれまで再三、「出口」の議論は時期尚早としてきた。今月22日の衆院財政金融委員会でもそうした姿勢を維持した上で、出口の具体策として「保有国債の償還」「各種の資金吸収オペレーション」「付利の引き上げ」などを例示した。

 現行の量的・質的金融緩和(以下、QQE)が黒田総裁の思惑通りに進めば、出口は必ずやって来る。出口策としてどのような選択肢があり得るのかを整理しておくことには、一定の意義はあるだろう。

出口の5つの選択肢:
「伝統的」か「非伝統的」か?

 現実性の高低は無視した上で、「出口」の選択肢を挙げるとすれば、①超過準備の付利水準引き上げ、②自己宛ての有利子手形の売りオペ、③保有国債の償還待ち、④保有長期国債の売りオペ、⑤法定準備率の大幅な引き上げ、などとなろう(図表1参照)。

①超過準備の付利水準引き上げ

②自己宛ての有利子手形の売りオペ

 ①と②については、前者が超過準備に対する付利水準、後者が日銀を支払い者とする手形の金利水準を誘導対象とする、という違いはあるが、いずれも本質的に「利上げ」であり、「伝統的な引き締め策」に分類できよう。