日銀の次の利上げは「早くて7月」か、市場予想の4月までの利上げが“意外と難しい”理由高市早苗首相(右)との会談に臨む植田和男日銀総裁=2月16日、首相官邸 Photo:SANKEI

市場で広がる「4月までの早期利上げ」観測
日銀は“慎重姿勢”、高市自民党圧勝も影響!?

 衆議院選挙では、「強い経済」実現で積極財政路線を掲げた高市早苗首相の自民党が圧勝した。2月16日には、続投が確実視される高市首相と植田和男総裁が短時間会談をしたが、高市政権のもとで日本銀行の今後の利上げはどうなるのか。

 1月22、23日に開かれた金融政策決定会合では、予想通り政策金利の据え置きが決まった。日銀は、次の利上げを見据えて、前回昨年12月の利上げ後の経済・物価や金融市場の動向を見極める態勢に入っている。

 1月会合後の会見で、植田和男日銀総裁は次の利上げについて、前回12月の0.75%への利上げの時のように、春闘の初動のモメンタムという絞られた決定要因が想定されていないとした上で、物価と賃金の緩やかな上昇がどういうペースで続くかということについて、多様な指標から判断を下していくという趣旨の発言をしている。

 つまり、基調的な物価上昇率でみて2%の物価安定の目標を達成する確度が高まることを確認しながら慎重に利上げを進めて、政策金利を中立水準に持っていく。この基本方針に変わりはないということだ。

 特定の会合にあらかじめ目標を絞って利上げの準備をするわけではないが、支店長会議に向けたヒアリングを経て、展望レポート(経済・物価情勢の展望)で新たな見通しが発表され、日銀短観の金融機関の貸出態度判断DIなどが出てくる1月、4月、7月、10月、そして12月(12月調査の日銀短観の発表)の会合が、政策変更の候補として想定できる。

 物価上昇圧力の高まりへの警戒感もあって、市場では、3月調査の日銀短観の結果が確認でき、支店長会議に向けたヒアリングが実施され、次の展望レポートが公表される4月27、28日の金融政策決定化合で1%への利上げが実施されるとの見方が広がっている。

 さらに、円安の加速によるインフレ圧力の高まり、すなわちビハインド・ザ・カーブに陥ることを懸念して、3月の決定会合での利上げを予想する見方もある。

 だが日銀は、3月はもちろん4月を利上げのターゲットとして意識しているわけではなさそうだ。4月までの早期利上げには、意外と難しい理由があるからだ。