また、「競りあうように生える」から「せり」と名前がついたと言われるように、一旦群生してしまえば後は簡単。

芹と鶏肉の小鍋仕立て
【材料】芹…1束/鶏もも肉…100g/鶏挽肉…100g/塩…少々/胡椒…少々/葱…適量/卵白…1/2個分/豆腐…1/4丁/出汁昆布…7cm幅/酒…大さじ1/醤油…大さじ1
【作り方】①鶏肉は食べやすい大きさに切る。ボウルに鶏挽肉、葱のみじん切り、塩、胡椒、卵白を加えてよく混ぜ合わせ、鶏団子を作る。芹は特に根をよく洗い、4cm幅に切る。豆腐は食べやすい大きさに切る。②小鍋に水と出汁昆布を入れて火にかける。沸いてきたら出汁昆布を取り出し、酒と醤油で味をつけ、鶏肉と鶏団子を煮る。③鶏肉に火が通ったら豆腐を入れ、芹を加える。

 同書の続きに、「沢に自生しているものは葉の間に虫が入っていて、それを食べると毒にもなる。田んぼに植えたものは刈り取って食べ、泥水をマメに注げば、そこから新たに生えてくるので、味も見かけも野生の芹に勝る」とあります。

 独特の爽やかな香りを持つ芹は、昔から鍋もの、特に肉類の鍋を作る際には欠かせない食材でした。

 寛永20年(1643年)に刊行された、『料理物語』という日本最古の料理専門書では、当時食べられていた肉類として、『鳥の部』に「鶴・白鳥・雁・鴨・雉子・鸞《ばん》・鷺《さぎ》・鶉《うずら》・雲雀《ひばり》・鳩・鴫《しぎ》・水鶏・桃花鳥《つぐみ》・雀、鶏」が並び、『獣肉の部』には「鹿・狸・猪・菟《うさぎ》・川うそ・熊・いぬ」の食べ方が紹介されています。

 現在に比べ、いかにいろいろな肉を食べていたかがわかりますが、これらの食材をいただくのに、冬から春にかけて、近辺に群生している芹は、格好のつけあわせだったというわけです。

芹と蜆の炒め物
【材料】芹…3株/蜆…適量/胡麻油…小さじ1/醤油…小さじ1
【作り方】①蜆は砂抜きをしておく、芹は洗って4cm程度に切る。②フライパンを強火にかけて胡麻油を熱し、蜆を炒める。蜆の口が開いたら芹を加え、少ししんなりしたら醤油を回し入れ、サッと炒めて火を止める。