ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
スマートフォンの理想と現実

ソニーXperia Z躍進からウィルコム消滅まで
スマートフォンをめぐる2013年の出来事を振り返る

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第57回】 2013年12月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
8
nextpage

8月:マイクロソフト・バルマーCEOの退任

【概要】
 マイクロソフトのCEO、スティーブ・バルマー氏が1年以内の退任を発表、後継のCEO選びに注目が集まった。マイクロソフトの初期からのメンバーで、2000年にビル・ゲイツの後任としてCEOに就任していた。バルマー氏の辞意にともない、取締役会は後継者先任の特別委員会を設置、バルマー氏やゲイツ氏も委員に加わっている。

マイクロソフトのバルマーCEOが1年以内に退任、後任選びはゲイツ氏も参加 - Engadget日本版

【解説】
 スマートフォンの波に乗り遅れ、WindowsXPからのOS移行のタイミングに、タブレットやクラウドが台頭したことで、PCの買い換え需要を喚起しきれない――マイクロソフトは過去10年のなかで最大の苦境にあるのは、多くの人が認めるところである。そうしたなかでのバルマーCEOの退任は、「先行きへの不安」と「復活への期待」が入り交じった、複雑な受け止められ方をしていたニュースだった。

 ただ、バルマーCEOの舵取りだけでなく、そもそも同社には「レガシー」が多すぎるような、そんな印象を受ける。特にこの数年で資産価値を失い、急速に遺物と化したものが、あたかもゾンビのように同社の価値を毀損しているのではないか。たとえばそれは、タブレット時代にキャッチアップしきれないWindowsOSであり、エンタープライズ用途の期待に応えられないまま、スマートフォンのエコシステムを作りきれないWindowsPhoneであり、関連する様々な最終製品である。

 最終的に誰がCEOになり、どのような舵取りをしていくのかは、まだ分からない。しかしこうしたゾンビをバッサリ切り捨てていくような覚悟がなければ、防戦一方の状況はまだ続くような気がする。

previous page
8
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

クロサカタツヤ
[株式会社 企(くわだて)代表取締役、慶應義塾大学特任准教授]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。16年より慶應大学大学院政策・メディア研究科特任准教授。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

「スマートフォンの理想と現実」

⇒バックナンバー一覧