最も速報性がある政府の経済調査である「景気ウォッチャー調査・12月調査」は統計史上第2位の高水準になっている。紅白歌合戦、箱根駅伝の視聴率、百貨店の売上などをみても、景気の回復調は底堅いことがうかがえる。

「景気ウォッチャー調査」の
現状判断DIは高水準

 2014年の景気の状況はどうか。1月分の経済指標の発表はかなり先であるが、景気の補助信号・予告信号と言える景気と関連性が深い身近な社会現象や、12月25日から年末までが調査期間で、最も速報性がある政府の経済調査である「景気ウォッチャー調査・12月調査」から足元の景気状況を占ってみたい。

 景気に敏感な立場にある2050人を対象として回答率9割を誇る「景気ウォッチャー調査」の現状判断DIは、13年では2月以降12月まで景気の分岐点である50を超え、景気が堅調であることを示唆している。駆け込み需要や、100円台の円安定着などで改善し、12月の現状判断DIは前月比で2.2ポイント上昇、55.7になった。統計史上4番目タイの高水準だ。

 内閣府は「景気は、緩やかに回復している」と内容がまとめられるとして、11月の「景気は、緩やかに回復しつつある」から判断を上方修正した。なお、直近11月と12月の季節調整値は56.9で、こちらは05年12月の57.5に次ぐ統計史上第2位の高水準になっている。

 なお、12月の先行き判断DIについては、54.7と水準は高いものの11月から0.1ポイント低下した。消費税率引き上げ前の駆け込み需要への期待感等を背景に、企業動向部門、雇用部門では上昇したものの、一部で需要の他業態へのシフトが懸念されること等もあって、家計動向部門では低下した。今年1月調査で、先行きの範囲が4月以降を対象に含むようになると、一時的な数字の悪化は避けられないだろう。