最終報告案では、検証委員会がどのように証言収集を行い、どんな基準に沿って評価・判断したのかのが、検証委員会以外にはわかるようになっていない。また、各調査についての目的意識も、現時点ではほとんど明らかにされていない。

 実際には、正しい手法で丁寧に事実を積み重ね、しっかりと目的意識を確かめ合って検証を行っていたのかもしれない。だが、報告案を見る限り、根拠や基準があいまいな記述も多く、第三者が確認をしたくても再検証しにくい体裁のため、科学的な意識や手順を遵守して作成された報告書であるとは言い難い。

 こうした検証に使った資料や情報の取り扱いについては、遺族は検証委会合の意見交換で懸念を表明してきたし、検証委会合後の会見でも質問が集中していた。

 室﨑委員長は、保存すべき資料の選定や、保管のルールや年限を、委員会内で議論している最中と説明。保管先については「できるだけ公的機関で、確実に保管できるいいところ」を検討していると話した。

 これに対し、遺族からは、「検証委員と作業委員が調査・検証した全ての記録を永年保管してほしい」という要望が出された。

「質問だらけ」で報告会は持ち越しに

 児童の遺族向けの報告会は、こうしてさらなる調査や疑問、修正を求める声が相次ぎ、予定されていた終了時刻を大幅に超えて6時間半にわたる長丁場となった。

 参加した児童遺族によると、この3年間、事故の詳細の説明や検証を積極的に求めてきた遺族たちだけでなく、検証を見守りながらもあまり口を開いてこなかった遺族たちも何度もマイクを握り、思いを訴えたという。

 あまりに質問や要望点が多すぎるため、事務局側は途中、未消化の質問項目を事務局に提出してもらい、委員会から回答する形を提案した。だが、遺族たちは双方向の話し合いの重要性を主張して譲らなかった。

「話し合っているうちに、正解に近いところまでいくのが、やり方としては正解なのかなと見ていて思う。そういうやり方が大事な過程だと思って参加している。時間が足りない、日程的に足りないとなり、途中で検証を止めるとなったら、完成ではないということを謳うことになる。それは本意ではない」

 普段は公に発言しない母親が、こう思いを表明し、2月9日に改めて報告会を開くことが決まった。