上司をしっかり立てておけば、
こんなことには……

 それゆえ、直属の上司である部長への配慮がおざなりになっていた可能性があります。しかし現実には、その執行役員もAさんを守ることはしなかったわけです。

 改革にあたっての社内調整などで、直属の上司である部長の協力を得ることも多かったようです。改革の手柄を独り占めしたりせずに、メディア取材のときなどに、部長を立てて一緒に取材に応じるなどの配慮があれば、結果が違っていた可能性は十分にあります。

 後から考えてみれば、「ああしておけば良かった」と思う点は多々あるわけですが、異動が発令された後となっては、まったく「後の祭り」です。

上司が部下に嫉妬するということは、企業の中ではよく見られる状況です。嫉妬というものは、より近い関係の人に対して抱く感情であるといいます。

 外国の王侯貴族がどんなに裕福な暮らしをしていようとも、何の感情もわきませんが、隣の家が新車を購入したとなれば、容易に嫉妬の感情はわき上がるものです。