「空白の50分」をめぐり激しく議論
核心に踏み込まない検証委に異論も

 さらに、これまで遺族が最も強く訴えてきた、同じような条件下にあって、大川小だけが震災発生から津波が襲来するまでの約50分という長時間、校庭から動けなかった理由を、検証委が調べようとしないことについて、今回も激しい異論が挙がった。

遺族 「例えば、校長がこの組織をどう束ねていて、それぞれのキャラクターをどう理解して生かそうとしていたかは、事故とは無関係ではない。検証委員会は、遺族から“その調査は検証に役に立つんですか?”と言われながらも、色々と周辺情報(津波の挙動や、過去の教職員の裏山に対する認識、対岸住民の危機意識等)を調べた。それと同じように、やっぱり遺族が指摘することも、紐解いていく必要があるのではないか」

室﨑委員長 「我々もひょっとしたら重要な事を見落としているかもしれないが、これは調べないといけないという事は調べてきたつもり」

遺族 「あの場所での、子どもたちや先生たちの様子をきちっと調べないといけない。大川小が動けなかった理由は、そこにしかないんじゃないか。それは関係ないですか? 重要じゃないですか?」

室﨑委員長 「基本的には、わからないことは書けないと判断している。教員集団のあり方は重要だが、学校管理下で起きた学校の責任は、我々の今までの分析でも明確になっている。それをさらに細かく分析する必要はない」

遺族 「水位計で津波の到達時間を算出するよりはよほど大切なこと。再発防止を考えているんですよね? 教職員集団、組織のあり方は、無関係なんですか? それこそ大事なんじゃないですか?」

 大川小の当日の様子や、教職員集団の文化の調査・分析を求める遺族側に対し、室﨑委員長は、学校の問題点は提言には書き込んだとしてこれ以上の調査は不要、とするやり取りが続く。遺族側から、教師たちが避難を強く言えなかった理由を求める声が挙がった。

室﨑委員長 「(現場に)自由に意見を言える雰囲気がなかったということですよね」

遺族 「それはなぜだと思います?」

室﨑委員長 「色んな理由があると思う。校長がリーダーシップで、物を言いやすい環境を作っていなかったのかもしれない。最終的にはリーダーシップの問題」

遺族 「ならば、明らかに校長のリーダーシップに問題があったと断定して書いていただけるか。

 何とかして子どもたちの命を守らなければならない、念のために子どもたちを助けなければならないと思えば、手段はいくらでもあったし、時間もあった。検証委はその部分をすごくあいまいにしている。

 もし、重要だと考えていないならば、“重要でない”と書いてください。もし“重要”とするならば、調べていただきたいし、分析できないなら“力及ばなかった”とはっきりしていただきたい」

室﨑委員長 「わかりました。どちらかにします」