脳の法則6:脳は真実を求める
脳にとって、真実は生き残りを意味する。だからこそ、脳は必死になって学んだり、発見したりしようとする。
子どもの日々の行動の中に、このことの重要性を示す例が見られる。子どもたちがゲームをする時に常に公平さを求めるのはなぜだろう。「なぜ」といつも尋ねるのはなぜだろう。それは脳にとっての真実は正確な情報のことであり、それを渇望しているからだ。
脳は生き残るために真実を知る必要がある。頭の中のデータバンクにある情報が正確であればあるほど、生き残る可能性は高まる。嘘をつく時に多くの人が不安になるのはこのためだ。嘘をつくと自分の生存、そして他人のそれが脅威にさらされる可能性のあることを、脳はその奥底ではわかっているのだ。
米国の著名な心理学者、ポール・ブラウン博士は20年以上かけて、リーダー、コーチ、マネジャーとして成功を収めた人の特徴を研究した。その結果、リーダーの特性として最も求められているのは信頼であることがわかった。「この人の言っていることを、信じられるだろうか」
会議で決められた約束が守られると信じれば、行動を起こす可能性がはるかに高まる。しかし、信頼を裏切ると、関係に深刻な影響が及ぶ。嘘をつかれることは誰も望まないだろう。「率直に言ってほしい」という言い回しを使う人は少なくない。誠実さは成功するための資質として非常に重要である。
インプットされた情報を編集する時、脳は「これは信じるに値するか、それともガラクタか」という基準で新しいデータを常に評価している。脳が新しいデータを有効なものとして受け入れると、それを既存知識と掛け合わせて新しい考えやアイディアを生むきっかけにする。