脳の法則7:脳は根気よい

 脳の最も重要な特性の一つは、粘り強いこと、勝算にかかわらず成功に向けて努力し続けることである。脳は目標に到達するためにその相乗的、かつ創造的な能力を使って継続的にアイディアや計画を生み出し続ける。このため、障害ではなく明確な目標に焦点を当てることが極めて重要である。

 脳が新しいスキルを習得したり新しい考えを生み出したりする時、最初の試みには多大な努力が必要だ。鬱蒼と茂るジャングルを通る道を切り開く探検家を想像してみよう。最初の道のりは最も困難だが、挑戦を重ねるごとに道を切り開くのが容易になって、何度も繰り返すうちに努力がほとんど必要なくなる。

 われわれの脳も同じように働く。ある考えを最初に持つのが最も困難である。その後同じ考えを持つ度に、もう一度同じように考えることが簡単になる。ある考えを持つ頻度が高まるほど、将来同じ考えを持つ可能性が高まる。このパターンは、当然のこととして、脳が重点的に取り組んでいる目標に向けて根気よく進むことを示唆する。脳がそれをやめたら、本気でその目標を達成する決意があるかを疑ってみるべきだ。

 困難な目標の達成に努めている時、正念場を迎えるのは当然だ。最初の試みがうまく行かず、成功できるかどうかを疑問に思う。問題の大きさに自分は無力だと感じ、解決しようとする試みを諦める傾向がある。

 しかし、たいていの大人とは異なり、幼い子どもたちは失敗という概念にこだわらない。望んでいる目標、つまり最終的な結果のことで頭がいっぱいなのだ。「自分にはできない」「自分は不器用だ、ばかだ、最低!」などの後ろ向きのセルフトークで自分を責めることもない。脳本来の根気強さを生かして、幼い子どもたちは望むことを達成するまでやり続けることができる。

 困難なことを試みる時には、このことを忘れないようにしよう。障害にぶつかると反射的に否定的なセルフトークで頭がいっぱいになってしまうなら、自信を深めて粘り強く取り組めるような心のつぶやきに修正し、脳がなじみやすい方法で取り組もう。操縦法を知っている素晴らしい脳に舵取りをさせれば、あなたが成功することは間違いない。


著者トニー・ブザン氏が来日! 講演とサイン会のお知らせ

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