改善策を一緒に考える習慣が、子どもを伸ばす
――たとえば子どもが自信をなくしている時、親としてどうしてあげればいいのでしょうか。
柳沢 改善策を一緒に考えることです。単に“頑張れ”と言われても、何をどう頑張っていいのかわからない。とはいえ、すべてを解決する必要はありません。何かひとつでもきっかけがあれば、自信は回復します。一番傷の深そうなもの、あるいは解決しやすそうなもののひとつに焦点を当てて、一緒に考えてみることです。
一番いいのは、別のことでもいいので、何らかの結果をだして自信につなげること。そのためにも、子どもがエネルギーを集中できて、結果が出せそうなものをみつけておくことが大事です。
――もし言葉をかけるとしたら、どんなふうに言えばいいのでしょう。
柳沢 調子の悪いときほど、親の言葉はうまく染み込まないものです。ですから、経験を語ってくれそうな大人や子どもが慕っている相手に会わせるほうが響くことが多い。たとえば開成の場合、いろんな人材が豊富にいますから、先輩やOBに会わせてみることもありますね。
僕も昔、壁にぶち当たったり、問題が生じたときには、絶妙なタイミングで近所に住んでいた小学校の先生に呼ばれたものでした。今思えば、オヤジが電話してくれていたんでしょうね。自信を回復して「浮上」するきっかけを作ってくれる人を探しておくのも大事です。
――家庭内で子どもをサポートする時に気をつけることはありますか?
柳沢 手出ししすぎないこと、やりすぎないことです。逆に言えば、規則正しい生活時間を守って食卓を家族で囲む。それだけで十分です。無関心ではダメですが、過干渉はもっとダメ。それを心に留めておいてください。
次回の記事掲載は3月12日を予定しています。
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