「いつか」を自分で設定する
「今は」たどりつけなくても、これくらい努力したらこれくらいで行けるかな、と成長の見込みを考えて、それに沿って行動する。それが私が「楽観的に努力しつづけられる」理由だと思います。
世界中の鉱山と取引をしている、自分の足で回って目で見ている、と説明をすると、多くの方に驚かれます。「どうやったらそんなことができるの? ルートはどうやって切り拓いたの? 想像できないよ」、と。確かにこのビジネスを始めるときは手探りでしたし、どうやって回していけばいいのか分からないことばかりでした。
しかし、実は、この間までほんの小娘だった私が真剣に調べ、分からないなりに臆さず行動にうつした結果、思ったよりも困難なく取引を始めることができた、というのが正直な感想です。
もちろん私だって、最初から鉱山に行けたわけではありません。「いつかなんとかなるだろう」、と楽観的に構えていたところがあるのは間違いありませんが、その「いつか」は自分でつくっていくもの。最初に目標を立てて、それに進んでいくためにはだいたいこういうことが必要だろうな、と考えていくのです。
たとえば「バイヤーを介さず直接鉱山から仕入れる」という目標があったとします。何をしようか、と考えると、まず鉱山とつながっている人と出会わなければいけないということに気づく。けれど、海外の、しかも初対面の人にネットでコンタクトをとることはリスクが高い。そこでまずは友人や知人に「鉱山とつながっている人を紹介してほしい」と広く発信する。友人の友人にも声をかけてもらうよう、お願いする。もちろんすぐに情報は集まらないから、同時に自分でも情報収集は続けていく。
まさに今の自分にもできる、手の届く範囲のことだと思いませんか? まずはできるところから始めて、その「今の私でできる行動の結果」をもとにさらに行動していくのです。「今の私」でできることから始めることで、自分の行動のハードルも下げることができます。
もちろん最初は完璧でなくてもかまいません。最初から完璧にできる人は、どこにもいないと開き直ってしまいましょう。なぜなら、新しいことは、誰しもがゼロから始めるものだから。「今の自分」はゼロでかまいません。