こんなキャリアアドバイザーが、既存のキャリア相談室機能に加えて、再雇用者のための「シニアキャリア活用推進室」に数人のチームで配置されるならば、大きな課題解決機能を担うことができるだろう。制度で人は変わらない、人は人で変わる。いくら制度を立派にしても使いやすくしても、それだけで良い成果は生まれない。その制度を活用して働くのは人であり、管理者とシニアに働きかける人がいて初めて制度は生きた活用がされる。

結びに代えて――シニア活用への提言

 13回にわたりミドル・シニアの活性化と活用について考えてきた。一貫して述べてきたことは、シニアを雇用する義務があるから消極的に活用するのではなく、戦力化を試み、企業収益に貢献する積極的な活用・活性化策を練り、辛抱強く取り組んでほしいということだ。シニア雇用は問題も多く、すぐに良い成果が表れにくい。自社のシニア活用に息長く挑戦し、生きがいと生産性を生む職場づくりに取り組んでいただきたい。ビジネスキャリア30余年、シニアのキャリアの宝物を、使いこなせないのは、あまりにもったいない。

 本稿の最後の締めくくりとして、経営者・人事責任者の方むけに総括的な提言をしておこう。

■ 総 括 提 言
1.シニアの活用度をあげ、企業収益を生む第2の戦力と見なせ
2.シニアを雇用依存から自立させ、活躍場を与え、挑戦と貢献をさせ続けよ
3.再雇用になっても役割-実績評価は目標管理などでキチンと行い、働く姿勢を崩させない
4.戦力化の前提となる個人の専門性を50代までに完成させる、その後再戦力化を図る
5.キャリアデザイン研修等で、70歳まで働く将来イメージを作らせる
6.シニアの働く意欲・行動を支える上司の人材マネジメント力を強化せよ
7.シニア雇用・活用推進を行うシニア活用アドバイザーを置き組織ぐるみで活性化を図れ

 以上で本稿は終了だが、拙稿の作成に当たり、資料協力・ご指導をいただいた日本マンパワー「ミドル・シニアのキャリア問題研究会」座長の田中丈夫氏はじめメンバーの皆さん、社会保険労務士の中村俊之氏、そして何より本連載を最後までお読みいただいた読者の皆様に深く感謝申し上げる。