ロームについては、従来のデジタルAV機器市場向けを中心としたビジネスモデルから、現在は自動車関連半導体メーカーへと完全に変貌を遂げている。固定費を中心とするコスト削減も進展しており、業績は明確な改善トレンドにあると判断できよう。

 長い間業績低迷に苦しんできた当社であるが、その要因は、(1)国内デジタルAV機器メーカーに対する売上依存度による売上トレンド低迷、(2)高水準の設備投資の結果としての固定費負担増の2点であった。

 しかし現状はデジタルAV機器市場に対する売上依存度は連結売上高の5~10%に低下。一方成長が見込まれる自動車市場向け売上高構成比は25~30%にまで上昇しており、今後堅調な売上拡大が見込まれる状況となっている。また13年3月期末に生産設備の大幅な減損を実施したことで、固定費負担も低下。今後利益率の改善が見込まれる状況となっている。

 燃費効率改善等のニーズを背景に、自動車用半導体に対する需要は大幅な増加を示している。今後は自動車等いわゆるパワーエレクトロニクス関連の技術取得が当社にとっての課題であり、豊富なキャッシュを活用した、技術取得目的のM&A実施の可能性等に注目したい。

 今後数年を考えても、日本の電子部品メーカーの高い国際競争が維持されていく可能性は高い。各社が需給バランスの維持を意識した能力増強を図っている現状では、急激な円高に振れない限り業績が大きく落ち込むこともないと考える。個別企業で見れば、在庫循環等による収益ボラティリティが生じがちなITや民生分野に加え、構造的な成長が期待できる自動車用電子部品分野での優位性を確保することが、中長期利益成長に結び付くものと考える。