国際線事業では2014年4月以降の供給量が前年比8%程度の増加となり、一時的には需給不均衡による単価下落が懸念される。しかし、中期的には利便性の高い羽田空港からの国際線需要の増加が見込めるだろう。世界的にみても、日系エアラインの国内線事業の収益性は高く、今後は国際線の需要増が利益成長の柱になると考えられる。エアライン業界での弊社の注目企業はJALだ。財務体質の健全性に加え、グローバルでみた株価バリュエーションの割安感や株主還元の充実が期待できる点が魅力と考えているからだ。

出所:会社、BofAメリルリンチ・グローバルリサーチ

運賃値上げの環境整いトラック業界は大きな転換点:
注目企業は日本通運

 景気回復はモノの動きも活発にする。トラック業界は2013年4月以降、Eコマースの浸透や景気回復などによる取扱量の増加とトラックドライバー不足という需給逼迫の事業環境にある。トラック事業者数は6万社程度もあると言われ、過去10年以上もの間、供給過剰による単価低迷が継続してきた。現状、コスト増加を運賃値上げで転嫁できる環境に変化しているが、未だ値上げに対する顧客側の抵抗感は強いようだ。そのため、2014年も自社での継続的なコスト削減努力に加え、更に運賃値上げの交渉が続くことが想定される。

 日本通運やヤマトホールディングスは取扱商品がやや異なるものの、2014年は運賃値上げが重要な経営課題になろう。ヤマトホールディングスは約40%の市場シェア、全国的なインフラネットワークを活用した高付加価値サービスにより、他社との差別化を図っている。他方、中期的には、佐川急便や日本郵便が全国的な宅配便ネットワークの構築を急ぐなど、当社を追撃する形での価格・サービス競争が始まりそうだ。

 日本通運は宅配事業を日本郵便に譲渡し、現状は企業間物流に特化している。トラック事業だけでなく、海上、航空、倉庫、警備輸送、重量品輸送などの国内外物流を展開しており、2013年4月以降はそれぞれの事業で徐々に取扱数量の増加がみられるようになった。一般的にみて、トラック各社の営業利益率は2~5%と低水準だが、日本通運はコスト低減により収益性改善を急ぐ。2013年には転身支援制度による従業員の削減や、2014年には効率的なコストコントロールを可能にするITシステムを導入する予定だ。国際事業では当社の顧客基盤と海外ネットワークを強みに、新たなビジネスを創出している。