市場細分化の進展は、工事案件が豊富で、受注環境が良好であることを意味する。当面、棲み分けが促進され、競争条件の緩和に伴い、大手、中小を問わず、建設会社の利益率は改善すると考えられる。

 次に、不動産セクターでは、丸の内地区の賃貸面積の約3割を保有する三菱地所でさえ、賃貸ビル市場における市場シェアは、東京5区で約7%、東京都全体の約3%に過ぎない(同社の丸の内地区のビルの市場シェア)。マンション分譲では2013年の供給トップは三井不動産だが、戸数ベースで首都圏シェア約10%、全国では約7%である。

 ただし、最近の傾向として、特にマンション分譲で大手のシェアが上がっている。今回のマンション相場では過去見られた新興デベロッパーの市場参入がほとんど見られなかった。都心の住宅用地の希少性が高まり、土地仕込みの難易度が上がっていることや、金融機関の貸出が案件ではなく事業者の信用力重視であることが背景にあろう。需要者側でも、信用力とブランド価値の高い大手物件を選考する傾向も強くなっていると考える。

 ビルでも同様の傾向がある。従来、都心のAクラスビルの比率が低く、10年以上前はせいぜい5%程度だったと推定される。しかし、2000年以降のビル供給により、三幸エステートなどによれば、足許では15%程度まで上昇した。これにより、B、Cクラスでかつ競争力のないビルは淘汰され、資本効率の相対的に高い大手への占有度は確実に高まった。

 不動産でも、ビルやマンションなどの市場のパイが急速に拡大している状況では、中小の新興デベロッパーが新たに市場参入し、賃料や不動産価格が過熱感を伴いながら上昇、市場の細分化が進むと考えられる。一方、足許の状況はそこまで加熱していないことを示している。市場占有率上昇により、大手不動産の利益の絶対額は増えるが、不動産価格や賃料の上昇自体は緩やかなものに留まっている。