初詣が示唆した
企業の適切な在庫コントロール

 第2の特徴は、企業行動が慎重で在庫コントロールがうまくいっていることだ。今年は初詣の人出が前年を上回ったこところが多かったが、97年は前年に比べて減少していた。通常苦しい時の神頼みということで、景気の悪い時は初詣客が増えるが、今年は景気が上向きにもかかわらず、人々は初詣に行った。

 エコノミストのコンセンサス調査であるESPフォーキャスト調査では、13年の初めからエコノミストの総意として14年4~6月期はマイナス4~5%の大幅景気減速になるという予測が出ていて、マスコミ等を通じて広く世の中に流れていた。そうしたこともあって、企業の在庫管理に関する行動が、明らかに97年当時と比べ慎重になっているようだ。

 出荷に対する在庫の割合を示す鉱工業在庫率指数も97年に比べ低水準に維持されている。鉱工業在庫指数の前年同月比は1年超にわたり、マイナスが続いている。駆け込み需要を本格的な需要増と勘違いして、在庫を積み増す行為は見られなかったのだろう。

 景気先行指数・採用系列のDI指数の符号をみると、最終需要財在庫率指数は、昨年9月から14年3月まで全て景気が先行き良くなることを示唆するプラスであった。97年の時は7月に金融危機が生じた時、在庫調整(≒生産調整)を余儀なくされたが、今回は大丈夫ということである。

企業も広告費には積極的
巨人のセ・リーグ首位浮上も景気にプラス

 企業は慎重な行動をとっているといっても、企業活動が萎縮したわけではない。身近な例として大相撲の懸賞が挙げられよう。今年は初場所1198本、春場所1166本、夏場所1165本で初の3場所連続1100本台となった。増税前後で懸賞の金額は1本6万円から1本6万2000円に増えたが、本数はほぼ同じだった。不景気なら広告は節約されるはずで、景気の底堅さが感じられる一例と言える。