クールジャパンの笛吹けど
東南アジアでは韓国コンテンツが席巻中
東南アジア各国でも、韓国ドラマやK-Popは市場を席巻している。遅ればせながら、クールジャパンの旗印のもとに、日系コンテンツも市場の奪回を図ろうとしているが、なかなか目に見える成果が出ていない。
そもそも、東南アジアといえば、昔から日系コンテンツが強かったはず。よく「『おしん』を見て育った」とか、「日本のアニメは好き」といった話を嬉々として話しかけてくる人に会うことも多いが、最近、特に現地の若い世代にとって日系コンテンツはどうも旗色が悪い。
ミャンマーにおいても状況は基本的に同じだ。現地では、韓国ドラマで出てくる髪型をまねたり、ドラマに出てきた商品を買おうとしたり、韓国文化をパッケージ化したマーケティング戦略が有効に機能している。
ミャンマーにおいても日系コンテンツを売り込もうという動きはある。ただ、コスト面での優位性が発揮できず、なかなか食い込めていない。今回は、ミャンマーにおける日系コンテンツの現状について見ていきたい。
ヤンゴンで緑色のビルボード・ポール
が増えつづけるわけ
まず、ミャンマーでの広告ヤンゴンでは、最近屋外広告(いわゆるビルボード)のポールの色は、一昔前までは、黄色や赤や、色とりどりだったが、最近は緑色に塗り変わっている。
ポールが緑色だと、そのビルボードはヤンゴン市開発委員会(Yangon City Development Committee:YCDC)が保有しているということだ。緑色ではないポールのビルボードは一般企業等が保有している。
最近は、市内のビルボードをすべてヤンゴン政府が買い取っており、政府はポールの色をどんどん緑色に塗りかえている。緑色のポールのビルボードに広告を出そうと思ったら、所有するYCDCに掛け合わなければならないが、民間所有のビルボードに広告を出す場合と比較して話がややこしくなってくる。
ヤンゴン政府のなかでも多くの部署がビルボード広告に関与しており、ビルボード設置部署や看板の番号を管理する部署、税金関連の部署等々、広告1つ出すにも、関係する部署をすべて通さなければならない。それも、なかなかスムースにいかず、利権の役得を発生させるために、わざわざ面倒くさいプロセスにしているのではと思えてくる。