新規出店が相次ぐ
ヤンゴン日系飲食店
ヤンゴンで最近、日系飲食店の進出が加速している。今年4月には、東京首都圏で居酒屋「てけてけ」を展開するユナイテッド&コレクティブがミャンマー1号店をオープン。また同じころ、フレッシュネスバーガーもミャンマー1号店のオープンを準備中だ。フレッシュネスバーガーは、初の世界進出の地として、ミャンマーを選んでいる。
ヤンゴン在住日本人の数はまだそれほど多くないにも関わらず、現在確認できるだけでも、日系飲食店は50近くを数える。しかもその多くは、この1〜2年の間に開店したころばかりだ。滞在日本人数当たりの日系飲食店数でみると、世界有数の激戦区が出現しているのだ。
それがミャンマーだろうとどこだろうと、接客業の基本は従業員教育だ。せっかくきれいな内装や、高価な食材を提供していても、接客態度が一定レベルに達していなければ、その店の評価は大きなマイナスになってしまう。
実際、ヤンゴンにある高級レストランでも、食べている途中の皿が下げられたり、会計を頼んだのに店員が戻ってこなかったり、頼んだものとは違うものが出てきたりというのは、日常的なシーンの一コマだ。
日本式の細やかな顧客対応が存在しないミャンマーで、しっかりとした接客教育を行うには、どのような方法があるのだろうか。従業員教育において、課題としてぶち当たるのはどういったことなのか。
今回は、ミャンマーで4年前からカフェバー Kosan Cafeを2店舗運営している中村亮氏、日本でIT関連企業を経て、ミャンマーでホテル・飲食店事業を始めた上原廉裕氏に、ミャンマーにおける飲食店経営における難しさと、その対応方法について話を聞いた。
従業員のモラルは最悪!?
「気を抜いたらすぐにやられます」
東南アジアで飲食業に従事している方と話をしていると、従業員のモラルが低いとの声はよく聞かれる。時間通りに店に出勤しない、現金をくすねるといったことは珍しいことではなく、そういった基礎的なところから日本人経営者は対応しないといけない。はたしてヤンゴンではどうだろうか。中村氏は言う。
「最悪ですね。たぶん他の国より相当レベル低いと思います。気を抜いたらすぐに現金を盗られます。
だから日本人が経営しているお店でしたら、ほとんど店で入出金管理は日本人がやっていると思います。でも、うちは現地従業員に任せていますよ。ただし、定期的にチェックは行っています」