ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
「働き方」という経営問題―The Future of Work―

メールでの問い合わせは禁止!
世界中の社員の知恵を「社内SNS」で手に入れる

河合起季
【第4回】 2014年7月11日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
4
nextpage

 その後も、数時間以内に10件の書き込みがあり、「ソーシャルメディアの社内のエキスパートはXだから、コンタクトしてみては?」「興味深い取材だね。ソーシャルのことならYも詳しいよ」「LEGO社はマネジメント層にソーシャルに関する試験を実施していたり、欧州最大のITサービス企業である仏Atos社はソーシャル活用のためにメールを一切廃止しているらしい」といったコメントが続々と寄せられた。

 「メールだと知らない人から返事が来ることはあり得ません。チャターにしてから、知り合えるメンバーが圧倒的に多くなりました」

定着させるポイントは
強いリーダーシップと遊び心

 今ではなくてはならない強力な武器となっているチャターだが、定着するまでは半年くらいかかったという。

 「電話やメールで問い合わせるという、いつもの習慣を変え、慣れないツールを使うように仕向けるにはやっぱり時間がかかりますね。導入時のリーダーシップがものすごく重要だったと思います。

 当社の場合は、私の上司、ピーターの“全員必須でやりなさい”というトップダウンでスタート。リーダー自身が積極的に書き込みを行い、手本を示しました。そして、メンバーに毎日必ず何か1つ書くように指示し、それに対してピーターや私たちが必ず答えるようにした。1日でも早く社内SNSの効果に気づいてほしかったからです。

 社内SNSはツイッターと同じで、文章が長すぎると読まれず、返事も来ない。そういう匙加減も含めて、リーダー自らがいろいろ検証して進めていくことが必要でしょう」

 また、チャターに載せるべき問い合わせがメールで来た場合は、問い合わせに対する返事は書かず、チャターに書き込むように促したともいう。

 一方、こうしたオープンなコミュニケーションツールは、遊び心を持ってやることも大切だと朝海氏は話す。いくらメリットがあっても、楽しくないと続かないからだ。

 「そのために、一番面白いコメントを送った人やフォローの多かった発言をした人などにプレゼントを贈るといったこともやりました。仕事のことだけでなく、今日こんなパーティがあったので写真をアップします、とか、こんな面白いニュースがあったというのも大歓迎。そうしたプライベートの報告もけっこうありますね。なので、たとえばシンガポールのメンバーと実際に会ったのは2年くらい前なんですが、すごく身近に感じられるんです」

 ソーシャル担当をつくらず、関係者すべてを巻き込んだことも成功の要因となった。全員参加がルールで、他の組織のメンバーにも常にトビラは開かれている。こういうことなら書いていいとか、これはダメといったルールはあえてつくっていない。何でもありだから、誰でも参加しやすいのだ。

previous page
4
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

「働き方」という経営問題―The Future of Work―

人口減少による働き手の不足と経済・社会のグローバル化が、企業経営を取りまく大問題となっている。そのなかで、企業が競争優位性を築くためのキーワードとして浮上しているのが「ワークスタイル変革」だ。識者への取材や企業事例の紹介を通じて、すべての企業と働く人に問われている「働き方」の課題を明らかにしていく。

「「働き方」という経営問題―The Future of Work―」

⇒バックナンバー一覧