作戦2 誰よりも朝早く出勤すること
朝早く出勤する目的は、働くことに対する意欲をアピールするところにあります。朝早くから仕事に取り組む姿勢は、上司だけではなく周りの人の”情”を引き出す最良のパフォーマンスです。なぜなら、朝早く出勤するだけで仕事意欲の高さを示す効果があるからです。
それどころか、実利の面からも、朝早くから仕事をすると普段よりも仕事がはかどることが多いので、本当に”できる社員”になる可能性も出てきます。それこそ一石二鳥です。
「上司が遅く出社する人だったらあまり意味がないのでは?」などと言わないでください。意味があるのかないのか、とりあえずやってみることが大切です。「やってみなはれ。やらなわからしまへんで」というサントリーの創業者である故鳥井信治郎氏の有名な言葉がありますが、まさにこの考え方が大切なのです。
作戦3 社内行事社イベントに積極的に取り組むこと
与えられた仕事を好きになれず、あまり集中できない人でも、社内行事やイベントなら楽しく取り組むことができるのではないでしょうか。先ほども書いた通り、仕事能力の差は取り組み姿勢の差であることがほとんどです。したがって、社内行事やイベントなら仕事よりも前向きに取り組めるという人は、まずはそちらからトライするのもひとつの方法です。
その姿勢を見た上司や周囲の人たちは、きっと好感を持って受け止めるでしょうし、上司に社内行事やイベントでの活躍ぶりを見せることで「本来は仕事もできるに違いない」という論理的誤謬を引き起こす可能性が出てくるからです。
また、裏方スタッフとしての活躍も有効です。社内行事やイベントの裏方は部門間を横断して行うことが多いので、自分を広く売り込むチャンスにもなります。いろいろな部署で評判を高くしておけば、周囲の目が気になって、上司が低い評価をつけにくくなるという効果も生みます。
作戦4 悪口や誹謗中傷を口にしないこと
人気作家である宮部みゆき氏の著書『名もなき毒』(文春文庫)の主人公の杉村三郎は、会長の娘婿であるがゆえ、飲みに誘われることのない人物として描かれています。その理由は、誘った側が会社の悪口を言う楽しみを味わえないからです。それほど、社内における上司や会社の悪口、同僚の誹謗中傷が一般化しているということなのでしょう。
私の経験からも、悪口や誹謗中傷を口にしない社員のほうが少ないと確信を持って言えます。だからこそ、悪口や誹謗中傷など、人を傷つける発言をしない人材は貴重なのです。
「愚痴らない」というイメージは「信頼できる」というイメージに重なります。「信頼できる」というイメージは「仕事を任せられる」と思わせ、「仕事を任せられる」ということは、「仕事能力も高いに違いない」という論理的誤謬を引き起こす可能性があります。