どんなに結果を残しても、”ええかげん”評価が幅をきかせている以上、仕事の成果だけで高評価を得られるとは限らないのが社会の常。しかし、逆にいえば、”ええかげん”評価をうまく利用することができれば、確実に評価がアップするということでもある。そこで、今回は”ええかげん”評価を逆手にとって評価を高めるための方法について考えたい。
中には「そこまでして評価されたくない」という人もいると思うが、今回はそう考えてしまう人にこそ読んでもらいたい。
結果を出せば必ず評価されるわけではない
前回は、理不尽な評価に悩む、苦しんでいる人のストレスを軽減するために、評価そのものの”ええかげんさ”について考えてみました。しかし、それを知ったからといって、評価がアップするわけではありません。評価アップのためには、その具体策を考え、実行することが必要です。
私自身、自分のサラリーマン駆け出しの頃を振り返ったとき、若くして成績優秀だったこともあり、周りの人々に対する目配りや気くばりに欠けていた部分があったことは否めませんが、環境や運にも恵まれてスピード出世を果たしました。営業プレーヤーとして働いたのは5年ほどでしたが、その間の通算成績は約3000名(この頃は入社当時から約2倍に増員)の営業社員のトップでした。しかも、極めて解約率が低かったので、数字以上に貢献していたと思います。
それでも、私に対する評価はバラバラでした。鼻っ柱の強い若造の活躍が面白いわけがありません。つまり、事実測定は間違いなく満点だったわけですが、いろいろな”ええかげん評価”によって、バラバラな評価になっていたのです。
勘の良い読者のみなさんは、私が何を言いたいか、すでにおわかりだと思います。そうです、私にはマイナスの”ええかげん”評価を防ぐための努力が欠けていたのです。業績だけで誰からも高評価を得られるとは限らないということを自ら実体験したのです。それが現実なのです。
いま思えば、社内の実力者に自分を売り込み、社内の飲み会に積極的に参加して上の人たちにお酒を注いで回り、ことあるごとに敬意を表し、決して奢らず、偉ぶらず、知っていることでも教えを請い……という努力を重ねれば、鬼に金棒だったかもしれません。それでも、”ええかげん”評価がゼロになることはないでしょうが、私を高く評価する人はもっと増えたことでしょう。