
電機大手各社は、優秀な人材を確保すべく、熾烈な「賃上げ競争」を繰り広げている。大手電機メーカーの給与事情を分析すると、「ある大手企業」の平均年収が前年度から80万円もアップしてトップに躍り出たことが明らかになった。特集『25年 給料ランキング』の本稿では、電機業界7社の年収推移を大公開し、給与アップの“デッドヒート”ぶりをお伝えする。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
人材争奪戦が過熱し、賃上げが進む電機業界
年収の上昇幅では格差が…
電機業界で賃上げが進んでいる。
2025年春闘では、日立製作所や富士通などがベア月額1万7000円の満額回答をしている。一方、業績不振でリストラに踏み切るパナソニック ホールディングス(HD)はベア1万3000円、経営再建中の東芝は1万4000円、シャープは1万2000円など、各社の経営状況によって上がり幅にはばらつきがある(パナソニックのリストラについては、特集『パナソニック 正念場』の#3『【内部資料入手】パナソニック1万人リストラの年齢別「割増退職金」が判明!“狙い撃ち”された年代は2000万円超?』参照)。
では、電機大手各社の実際の年収は、具体的にどう変わっているのだろうか。
ダイヤモンド編集部は、日立、パナソニック、三菱電機、NEC、富士通、シャープ、東芝の7社について、コロナ前の19年度からの平均年収の推移を徹底分析した(東芝は23年の上場廃止に伴い23、24年度の年収は非開示)。すると、電機大手で熾烈なトップ争いが繰り広げられており、昨年度から順位が大きく入れ替わっていることが判明した。
年収ランキング1位に躍り出た企業は、平均年収が前年度から80万円以上もアップしているのだ。いったいどこだろうか。
次ページでは、電機業界7社のコロナ前からの年収推移を大公開する。