ショッピングセンターに
「エネルギーカウンター」ができる

 例えば2030年、家庭では以下のような会話が当たり前のように交わされるかもしれません。

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 サッカーの練習に行く小学校5年生の亮輔君に、お母さんがお使いを頼みます。

「亮輔、帰りにスーパーDOLに寄って、電気買ってきてちょうだい。蓄電池はコントローラの下にあるから」

「わかったよ。いつもの地下1階のエネルギーカウンターで関東電力と房総ウインドエナジーから半々ずつで、合計○○キロワットくださいって店の人に言えばいいね?」

 近くでそのスーパーDOLの電子チラシを眺めていたお父さん。

「ちょっと待て。博報合成化学プラント製の電気が今月限りで1キロワットあたり13円のキャンペーンをやってるぞ。先着で合計600キロワットまでだって。亮輔、悪いがサッカーの練習前に買ってくれないか? お母さん、今月の蓄電分はこれで行こう。送電にも組み入れようかな」

※人名、企業名は架空のものです

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 たとえば、エネルギー自由化後の「電気」を、私たちは今日の「水」のようなもの、とイメージします。

 一昔前、「水」と言えば蛇口をひねると出てくる、水道水こそが「水」でした。しかし現在は、採水地ごとに細分化された、多くのプライベートブランドの「水」があふれています。供給側からすれば、「水」は地域起こしのための代表的な商品でもあります。加えて、どの「水」が自分に適しているか、指南してくれるサービスまであります。

 あるいは原料に使う水の源泉で差別化した食品がスーパーに並んでいます。「○○水で作った豆腐」とか。

 勘の良い読者の皆さんならお分かりでしょう。同じことが、「電気」でも起こるのです。つまり「電気」を色分けする、種類分けするということ。「電気」のブランド化、です。