ジャスト・ギビング・ジャパンとALSの支援に取り組むEND ALS共同で主催し た「ALSバケツチャレンジ」には、楽天の三木谷浩史社長、元プロ野球選手の古田敦也氏、乙武洋匡氏など多くの著名人が参加した Photo:DOL

「寄付するか、氷水をかぶるか」というチャリティ―活動が、日本でも急速に広まっている。有名人とネットの組み合わせが、恐るべき伝播力を発揮。ALSという難病の認知度向上には大きな役割を果たしているが、少しだけ違和感を感じるのはなぜだろうか。(ダイヤモンド・オンライン編集長 原 英次郎)

著名人の参加で
一気にブーム化

 ソフトバンクの孫正義社長がバシャーン、楽天の三木谷浩史社長がバシャーン、マンチェスター・ユナイテッドの香川真司選手がバシャーン……。著名な経営者や芸能人、スポーツ選手などが、バケツに入った氷水を頭からかぶるシーンを、ネット上で目にした方も多いだろう。この氷水かぶりのパフォーマンスは、今や一種の流行にまでなってきた。

 これ、何をやっているかといえば、「ALSバケツチャレンジ」に参加しているのだ。ALSバケツチャレンジとは、ALS(筋委縮性側策硬化症)という難病に対する認知度をあげ、患者と患者団体を支援するためのチャリティ(募金)活動である。

 そのルールは「寄付するか、氷水をかぶるか」。米国の場合はALS患者らを支援するALS協会に100ドルを寄付するか、氷水を被るかを選択する。もちろん氷水をかぶって、寄付することもできる。そしてこれに参加した人は、次の3人を指名する。こうして、指名の連鎖が続いていく。

 この7月末に米国で、ALSで闘病中の元大学野球選手のピート・フレーツさんが行った取り組みが発端となり、歌手のジャスティン・ティンバーレイク氏、サッカー界のスーパースターでブラジル代表のネイマール選手、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグ氏、マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏などが氷水をかぶる姿がネット上に公開され、この活動が国境を越えて一気に広まっている。

 日本でも、ファンドレイジング(資金集め)サイトを運営するジャスト・ギビング・ジャパン(代表理事・佐藤大吾氏)とALSの支援に取り組むEND ALS(創設者・藤田正裕氏)が共同で、「ALSバケツチャレンジ」を広める活動も開始している。藤田氏は自身がALS患者でありながら、マッキャンエリクソン社のプランニングディレクターを務めつつ、END ALSの活動を行っている。ちなみに両者が開設した特設サイトで寄付を受け付けており、こちらはハードルをぐっと下げて500円から寄付ができる。