しかし、混乱した中でも、ひとつの明確な戦略を打ち出していかざるを得ないということがあって、それが政治と経済に分かれていきますと、政治のほうは、今は一党独裁ということで維持されている。一党独裁の反面で、情報の偏在と汚職があるというのが現状ですね。一党独裁で明確な戦略の中で、外交というのは非常にしぶとく、うまくやっていると思います。

 アメリカとあれだけ対峙していると思いつつ、ちゃんとアメリカの落としどころも押さえていて、いざとなると、あれだけ強健な顔をしていても、実は裏で、例えばイラク戦争のときも、イラク戦争に反対すると言っておきながら裏でアメリカの国債を買い増したり、貿易問題が起こると高官を派遣してアメリカのものをいっぱい買って帰ってくるなど、使い分けが非常にうまいのです。これは中国何千年の歴史の成すものかもしれませんが、そういうしぶとさがある。

 と同時に、国内の貧富の格差の問題、汚職の問題、頻発する民衆の蜂起とまでは言いませんけど、農民が蜂起したり、そういう問題も起きているという問題も抱えている。経済のほうを見ますと、やはり富と貧困ということで沿海と輸出産業はどんどん豊かになっている。一方で内陸はまだまだ遅れていて、やはり、政府が相当後押ししないと、特に農村との差でいくと、それが日本でいう格差なんてかわいいものかもしれません。
 
 おそらく、日本の皆さんが、いろんな媒体を通して日ごろ目にするのは、この図のたった一つの切り口で、ひとつの事象を個別にいろんな角度から見ると、中国って一体どんな国なんだって非常にわかりにくくなると思うんです。ですから、おそらく一つの事象を見る場合でも、このようにより構造的に見れば、中国の実情が少し理解しやすくなるのかなと思います。