セミナー参加者からの質問

■質問1
世に出る前の情報をキャッチする方法を教えてください。

 特別なテクニックはないと僕は思ってます。人間というのは、知り得た秘密を自分の中に留めておくことができない実に哀れな生きもの(笑)。

 それをずっと自分の中に留めておくなんて、相当意思の強い人でないとできないので自分の奥さんや子ども、親友に「しゃべっちゃダメだよ」と前置きしつつしゃべるんです。

 ところが、ほとんどの奥さんは口が軽いので、何の悪気もなく隣の奥さんなどにしゃべってしまいます。

 そうなると、僕たちは情報を得るために何をしたらいいのか。まずは、知り合いをたくさん作ること。有名人が住んでいるエリアに出前をしているお蕎麦屋さんと知り合いになったとします。今まで2人前の蕎麦を届けていたのが、ある日から1人前になったと聞いたら、別居しているのかも、ということになります。

 僕は携帯電話を2台持っているんですが、移動の新幹線の中で登録されているリストを見返すようにしています。そして、最近この人と連絡をとってないと思ったら連絡をして、関係をつないだり。

 かなり面倒くさいことかもしれませんが、人と違う情報を得るためには面倒くさいことに汗を流さないとできないと僕は考えています。その面倒くささこそが、情報を入手するためのツールになるのです。

■質問2
相手からウザいと思われても、
そこをクリアして情報を引き出す方法は?

 自分が頭の中で「あれを聞いたらウザがられるんじゃないかな?」と考えていることほど、実は相手は気にしていません。

 相手の本音を聞き出すには勇気もいるし、高い壁もあるでしょうが、確信をつくような質問から入ってもまずは無理。そこで、何が重要かというと、場を温めること。お得意様と話しているときに、その方と自分との共通項を見つければよいのです。

 相手のことを聞きにくいのであれば、まずは自分のことをさらしつつ、相手の興味があることを引き出していきましょう。僕が取材で普段やっているのは、「趣味」「場所」「過去」――この3つの共通項を見つけていくことです。

 趣味でいえば、テニスやゴルフ。場所というのは、先方の会社が表参道にあるとしたら、自分が表参道に行くときに必ず行くお店とか、「○○さんはどの店でランチを食べてるんですか?」というような些細な会話。過去であるなら、「学生時代にこんなバイトをしてました」「こんな部活をやってました」など。

 いずれにしても、相手に本音をさらしてもらうためには自分からある程度のことをさらけ出すことが肝心。そこを心がけるだけでもかなりの変化はあるでしょう。