国内旅行で高い支持を受けている「じゃらんネット」。このじゃらんネットの前身母体は、海外旅行の情報誌「エイビーロード」だ。現在、海外旅行分野で中心的な存在であるとは言い難い。

 あるいは、中古自動車選びの情報サイト「カーセンサー」。これはプロトコーポレーション(PROTO)が運営する「GOO」の後塵を拝している。

 顧客接点力の高い営業組織で企業をグリップしても、強豪にかなわなかったのである。それはなぜか?おそらくマッチングする「場の変化」に追いつけなかったのではないだろうか。

 まずは、カスタマーが情報を入手する経路の変化をしっかりと把握すべきである。例えば、スマホの利用率が高まったことで「R25」のような駅のラックに置かれたフリーペーパーを読む乗降客が激減している。

 そして、企業が情報発信にかけられるコストの変化も見逃すことはできない。旅行業界の雄となったエイチ・アイ・エスも、元々はエイビーロードの上位クライアントだった。ところが、海外旅行の単価が下がるにもかかわらず、媒体への掲載費用は下がらない。むしろ上がっていく状態に業を煮やして、離れていったのではないか。いくら優れた営業が提案にやってきても、コスト的に割の合わないサービスを使う企業は存在しない。

 こうした場の変化に対して機敏に対応する競合が登場したとき、同じように機敏に対応できるか?スピード感の必要な勝負に勝てるか?それが、既存のビジネスモデルを維持・展開するキーになるのではないだろうか?

 そして、上場を果たしたこれからは、どのようにビジネスに取り組んでいくのであろうか?当方は現在のリクルートに在籍していないので推測になってしまうが、国内においては、

・生活者を抱え込む横串サービス (ポイントサービスなど)
・ECサービスの展開      (すでに食品領域で参入済み)

 でこれまで展開してきた場の連携をすすめていくのは間違いない。これまで取り組むことがなかったニッチ市場への参入も行われることであろう。

 一方で海外展開はどうなるのか?当方が在籍時からゼクシィ、じゃらん等の海外展開は模索されていたが、成功パターンが見いだせないままに撤退を繰り返してきた。ただ、HR(転職)市場では、可能性を見出しているようだ。海外の人材紹介会社や転職サイトを果敢にM&Aしていることからも明らか。この領域でこれまでのストロングポイントも活かしつつ、世界を代表する企業として大きく変貌することを期待している。

 本文の最後は、卒業生としての願いを書かせていただいたという点をご了承いただきたい。