2014年7月9日、普段はあまり顔を合わせることのないさまざまな外資系企業のマネジャー層が約150名、東京アメリカンクラブに集まった。第1回GAISHIKEI LEADERSエグゼクティブセミナー「外資系トップから見た 日本・日本企業の再生処方」に出席するためだ。程近智氏をモデレーターに、橘フクシマ咲江氏、浜田宏氏、藤井清考氏、伊藤嘉明氏、足立光氏といった錚々たる外資系トップならびにトップ経験者らによるパネルディスカッション(略歴詳細はこちら)などが実施された。主催者の1人であるGAISHIKEI LEADERSのオーガナイザー、留目真伸氏がレポートする。

外資系で培った「和魂洋才」を
日本社会のために活かす

  国際競争力の低下、長期停滞、グローバル化の遅れなど、日本と日本企業の根本課題に対する解決の必要性が叫ばれてきましたが、いまだに糸口が見えていないようです。金融緩和、マクロ政策だけではなく、個々の企業や個人が、グローバル社会という新しい文脈に適応し、その中で立ち位置を見つけ、力を発揮していくことが求められています。

 外資系企業の社員は、日々グローバル社会に何らかの形で接し、日本社会とは異なるプロトコルの中で成果を出すことを求められています。また、日々の業務において、日本発のアイデアをグローバル規模の仕組みに調和させ活かしていくことを求められています。彼ら彼女らのこうした経験は外資系企業の中だけでなく、日本社会・日本人・日本企業そのものがグローバル社会の中で存在感を示していくために活用していけるはずです。

GAISHIKEI LEADERSは2011年にスタートしたコミュニティプロジェクトです。これまで一匹狼的に活動してきた外資系の社員が一同に会し、お互いの知恵と人脈を共有し視野を広げていくとともに、その経験を活かして日本社会のためにできることを考えていこう、という趣旨で今回、大型セミナーを企画しました。

 実はこれまでも、「Meet the Leaders」という現役外資系トップとの座談会形式の小規模セミナーを開催してきました。この活動を通じて、多くの現役リーダーの方にサポートしていただいたことで、私たちは大いに勇気付けられ、外資系経験者が日本社会・企業の変革にあたって一定の役割を果たしていけるというメッセージを発信していこうと決意しました。その第一歩が、「和魂洋才」を磨くキャリアの啓蒙、人材育成等への貢献であり、これをセミナーという形で実現することができました。

 7月9日のエグゼクティブセミナーは、活動を本格化していくにあたってのキックオフとして位置付けていました。外資系トップ経験を持ち、日本企業・社会とも関わりを持って活躍しているリーダーたちに、日本企業・社会の課題と、その解決策、その中でどのように外資系経験者が貢献していけるかなどについて、それぞれの経験をベースにお話しいただく中で、参加者自身が日本企業・社会に対して何ができるか、何をしていくべきかについて真剣に考えてもらいたかったのです。