負ける喧嘩はしない
「敵が友となる時、敵を滅ぼしたとは言えないかね?」
これは、リンカーンが遺した言葉です。「敵を滅ぼす最良の方法は、敵を味方にすること」ということですが、これは、社内政治でも念頭におくべき考え方だと思います。
まず第1に、社内におけるトラブルは、往々にして「喧嘩両成敗」になるからです。相手の挑発に乗って敵対的関係を深刻化させれば、勝とうが負けようが組織的な制裁を加えられる恐れがあります。
また、「政治戦略的」にもきわめて妥当なスタンスだと思います。戦いを仕掛けるからには、絶対に勝たねばならないからです。特に、派閥や部署、上司を巻き込むような政治的闘争に発展した場合には、負けたときには、徹底的に叩き潰されかねません。
だから、「負ける喧嘩はしない」のが社内政治の鉄則。「負ける可能性のある喧嘩」も極力避けるのが賢明な処世術なのです。その意味でも、「敵を滅ぼす最良の方法は、敵を味方にすること」というのは、心に刻んでおくべき言葉だと言えるでしょう。
ただし、「確実に勝てる」ときには、話は変わってきます。
あなたに正当性があり、確実に勝てるときには、あえて「政治力を行使」することも選択肢に含めるべきでしょう。特に、あなたが理不尽な立場に立たされているときには、その状況を覆すチャンスを逃すべきではないかもしれません。