敵の「ネガティブ・キャンペーン」は好機である

 敵が、あなたのネガティブ・キャンペーンを仕掛ける場合もあります。
 社内ゴシップを流すかもしれませんし、いたるところであなたの陰口を言うかもしれません。相手に一定の影響力があれば、それは、あなたにとって脅威に感じられるでしょう。

 このようなときに、もっとも望ましくないのは感情的に反応することです。社内政治において、もっとも立場を悪くするのは、あなたが「怒り」などの強いネガティブ感情を表現してしまったときです。
 周囲の人はネガティブ感情に触れることを嫌いますし、その言動によって多くの人に「狭量な人間」という印象を植え付けてしまうからです。あなたの影響力を甚だしく損なう結果となるでしょう。常に、ポーカーフェイスであることが、政治力を保つコツです。

 むしろ、敵のネガティブ・キャンペーンを好機ととらえたほうがいいでしょう。なかには、彼のキャンペーンを真に受ける人々もいるでしょうが、あなたが周囲の信頼を勝ち得ていれば、そのキャンペーンを疑ったり、不信に思っている人々も必ずいるはずです。彼らをさらに味方に引きつけるチャンスだからです。

 そのためには、敵を褒めることです。
 本人のいない場所で、ウソでもいいから褒めてしまうのです。そして、本人に対しても誠実に対応する。そうすれば、あなたの人間性に共感を抱く人が増えていくでしょう。味方を増やせば、敵は追いつめられます。ネガティブ・キャンペーンに乗っている人も、あなたを敵に回すのは得策ではないと気づき始めるからです。

 相手の挑発に直情的に反応するよりも、よほど効果的に相手にプレッシャーをかけることができるでしょう。そして、あなたが「友好的」な姿勢を堅持することによって、相手も「敵対的立場」を撤回するチャンスをつかむことができるはずです。それを、黙って受け入れてあげればいいのです。