今後20年間で3万機の旅客機需要

 日本航空機開発協会によると、世界のジェット旅客機の運航機数は2013年から2033年までの20年間の間で1万9208機から3万6769機に倍増すると予測されている。そして、運航機数の倍増と機体の買い替えによって発生する3万機を越える旅客機需要の約半数を占めるのが120席~170席のシングルアイル機と呼ばれる機体である(図表1)。

 シングルアイル機とは、通路が一本しかなく、通路の左右それぞれに3人席が配置されている機体のことを指し、ボーイングでは737シリーズ、エアバスではA320シリーズがそれに該当する。国内では一部の地方路線で使われているだけなので、なじみが少ないかもしれないが、米国の国内線ではよく使われている機体である(図表2)。

 では、なぜシングルアイル機が全需要の約半数を占めるのか、それはLCC(ローコストキャリア)が好んで使う機体だからである。

 80年代ごろまで、世界の航空ネットワークはハブ&スポーク方式が一般的であった。つまり、大都市間は相対的に大きめの機体で結ぶ一方、地方都市に移動する際は、近隣の大都市空港で乗り換えるという仕組みになっていた。しかし、80年代後半から規制緩和が進むと、大都市近郊の小規模空港を活用することで、乗り換えを必要とせずに直接目的地を結ぶ新しいエアラインが登場した。その代表例が米国のサウスウェスト航空である。

 サウスウェスト航空は航空運賃を安価にするため、食事やドリンクの無料サービスを無くす、座席指定を無くすなどの斬新な仕組みを導入したが、自社保有の航空機についても「同一機材に統一する」という工夫をすることでコスト削減を実現した。