アナログのノウハウが決め手

 チェキの復活は“残存者利得”に他ならない。撮影とプリントを1台のカメラで行うインスタントカメラは、米ポラロイド社が経営破綻して製品生産を中止した後、世界でもチェキしか残っていない。

 アナログの極致ともいえる製品だが、実は現像技術と、カメラの機構部分の両方とも同社がノウハウを握っており、他社は模倣できない。その上、消耗品もサードパーティが作ることができないため、事業としてもうまみがあるというわけだ。

 一方、スマートフォンに押され、コンパクトデジカメ市場の縮小はいまだ止まらない状況にある。世界市場はピーク時の4分の1程度に落ち込み「まだ底が見えない」(大手カメラメーカー幹部)。ちなみに富士フイルムのデジカメ出荷台数は200万台で、すでにチェキの方が上回る規模となった。

 デジカメやカメラ付き携帯電話やスマホしか知らないデジタルネーティブ若年層に、撮影したその場でプリントができ、その場で余白にメッセージや落書きが書き込めることが逆に新鮮とされ、新たな客層をつかんだチェキ。「スマホのカメラやデジカメとは全く違う商品として認識されるようになっている」(山元事業部長)。

 今後はハローキティデザインモデルや、画角の大きい本格的な写真が撮れる上位機種なども発売。若年層のみならず北米などで“大人”の需要も狙いにいくという。残存者が図らずも新ジャンルをつくった。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木洋子)