進化するビジネスモデル
■ビジネスモデル1.0
これまで、ビジネスモデルは起業家が使う言葉として注目を浴びてきました。つまり、新しいビジネスのアイデアを生み出すときに用いられてきたのです。(1)~(3)の中では、特に(1)の「とっさのアイディアを整理できる」に重きが置かれ、個々の事業ごとの戦略の具体化に利用されました。 「ビジネスモデル=事業戦略」というイメージを持つ人は少なくありません。
これが「ビジネスモデル1.0」です。ビジネスモデル1.0をベースにさまざまなビジネスモデルの議論がなされ、ビジネスモデル1.5あたりまで精度が上げられてきました。
■ビジネスモデル2.0
現在は、ビジネスモデル1.0の枠組みには収まらない「ビジネスモデル2.0」になっている。星野リゾートやゼビオの対談を通じて、その思いを強くしました。現段階で筆者が考えるビジネスモデル2.0は、次の2つを含んでいます。
(1)ビジネスモデルと全社戦略
ビジネスモデルを事業レベルで完結させず、一歩進んで、全社(グループ)レベルで大きく捉えます。
新たなビジネスを立ち上げて「顧客満足と利益を同時に獲得する」パターンなら、従来の事業戦略の範囲内でビジネスモデルを考えればよいことになります。
しかし、すでにうまくいっている既存事業があって新規事業を行う場合は、全体最適のもとでビジネスモデルを構築しなければなりません。