事業単体ではなく
全体で顧客満足と利益の獲得を目指す
全社戦略のもとにビジネスモデルを実行しているのが、スポーツ小売業最大手のゼビオ株式会社の経営者である諸橋友良氏です。
ゼビオのビジネスモデルは「組織がベクトルを合わせてスポーツを産業化し、お客様に感動を与えていく仕組み」です。
同社は、「スポーツコングロマリット構想」を掲げ、スポーツの小売業にとどまらず、スポーツスクール、アイスホッケーのプロスポーツチーム運営、ドラッグストア、保険代理事業、カジュアル衣料などのさまざまな事業体があります。これら事業体が独立に展開しているように見えながらも、実はひとつの方向性をもって、全体で大きな「顧客満足」と「利益」の同時獲得を目指しています。
これが、全社戦略の一例です。
大規模企業においては、事業部や子会社といった単独の事業単位ではなく、グループ全体でビジネスモデルを創ることを念頭に置いた方がうまくいく場合があるのです。
この場合、現在の事業を補完したり強化するために、あえて儲からないポジションをとる事業もあります。その事業で儲からなくても、グループ全体で「損して得をとる」という考え方です。事業単位を飛び越えてダイナミックに展開することが、とくに大企業のビジネスモデルとして求められていると言えます。