「ビジネスモデル」とは何ですか? こう訊かれて即答できる人は少ないだろう。実のところビジネスモデルの定義は、経営学の専門家の間でも様々ある。あえて一言で言うならば、「儲ける仕組み」。もう少し付け加えるなら、「顧客に満足を与え、企業に利益をもたらす仕組み」といえる。
本連載では、そもそもビジネスモデルとは何か、なぜ今、ビジネスモデル思考が求められるのか、どうすればそれを身につけられるのかについて、皆様とともに考えていきたい。
2回目からは、星野リゾート代表 星野佳路氏、ゼビオ社長 諸橋友良氏らにご登場いただき、筆者との対談形式で、自社で実践しているビジネスモデルについて紹介していただく予定です。
ビジネスモデルの定義
ビジネスモデルとは、「顧客に満足を与え、企業に利益をもたらす仕組み」のこと。「顧客満足」と「利益」は、いわばビジネスの両輪。
ビジネスの目的は、顧客満足を追求して世の中をよりよくしていくこと。しかし、それを支えるためには、会社で自由に使えるお金が必要です。
つまり、ビジネスモデルの本来の意味は、「顧客を満足させながら、いかに存続するための儲けを得続けるのかを考えること」なのです。
ここで、筆者が考案したハイブリッド・フレームをご紹介します。
ハイブリッド・フレームとは、ビジネスモデルのキモとなる「儲ける仕組み」を「顧客満足」と「利益」の両方から思考するためのいわば「型」のようなものです。
次ページの図にある通り、顧客価値を右側に、利益を左側に位置させます。
そして、上から順番に誰に(Who)、何を(What)、どのように提供するか(How)という3つの質問を、「顧客価値」と「利益」のそれぞれに対して同時に投げかけていきます。