マツダから配布された資料によると、「NA」~「NC」の総生産台数(2014年11月末現在)は94万9471台、総販売台数は93万9028台。販売の内訳は、北米が44万4835台、欧州が30万1673台、日本が16万8455台、オーストラリアが1万6898台、中国(2009年発売開始)が1793台、その他地域(1999年からの記録)が5374台となっている。

「ロードスター」は世界で最も多くの人たちが楽しんでいる、「二人乗り小型オープンスポーツカー」なのだ。当然、ギネスで認定されている。

 今回、満を持して誕生した「ND」。筆者にとっては、ハワイ島での「NC」国際試乗会に参加してから10年が経った。「ND」試乗を前に、進化への期待が高まる。これは、世界のロードスターファンにとっても同じことだ。

 今年6月頃に日本発売予定の「ND」。その実態とは何か。その存在意義とは何か。世界初の公道試乗を通じて、じっくりと解析してみたい。

「感」の共創
「守るために変えていく」

「ND」試乗のエンバーゴと、自身の60歳の誕生日が同時に訪れた、担当主査の山本修弘さん。試乗後のランチで、こう言った。

「私としては、こんな風に想像していたんですよ。桃田さんが試乗から戻ってきて、『どうでしたか?』と私が聞いたら、『(右手の親指を上に向けて)グッドです。すごく楽しい。でも何がどうして楽しいのか、よくわからないので…。もう少し走ってきてもいいですか?』。そんなことをおっしゃると」

 残念ながら、筆者は山本さんの期待を裏切った。試乗はひとり1台で行なう、というマツダ側の設定だった。だが筆者は、エンジニアの方の同乗をリクエストした。その場で感じたことを、同乗者に言葉で伝えることで、体感をデータ化して筆者自身の脳神経を刺激したかったのだ。

朝8時、バルセロナ市街を初代ロードスターをドライブしながら、第四世代ロードスターの試乗会場へ向かう。25年の歳月を経ても、根本的な「走り味」に共通性を強く感じた Photo by Kenji Momota

 そう思い立ったのは、「NA」の影響だ。少し前に「NA」で感じたあの気持ちをできるだけキープしながら、「ND」と正確な比較がしたい。そう思ったのだ。この方法が「ND」の正しい評価方法になると、筆者は直感的に思ったのだ。

 この気持ち、結果的に「ND」の開発コンセプトに直結した。

 山本さんが開発コンセプトの大前提として強調するのが、「感創り(かんづくり)」だ。