旧正月(春節)が近づいてきた。中国の企業にとっての年末も日一日接近してくる。「年会」と呼ばれる大型会合が行われるところが多い。私も関連会社の董事会(一部の大株主を含めた重役会議)と年会に出るために、上海を訪れた。
上海に一時帰国することが決まると、上海にいる日本帰りの中国人の会合や農村「下放」時代の友人たちの会合への出席を誘われ、出版社などのメディアからも声をかけられた。
静かな出張の旅と想定していたが、微信や微博などSNSのお蔭で日程や毎日の行動がほぼ逐一公開され、それに誘発され、さらにいろいろなところから誘いが飛んできた。おかげでてんてこまいの毎日を強いられてしまった。
中国進出した日本企業で
上手くいってる話を聞かない
しかし、意外な収穫もあった。たとえば、日系企業の中国ビジネスの現状についての議論だ。厳しい局面にある日系企業が多いという指摘が結構多かった。とくに化粧品メーカーの中国進出に対して手厳しい指摘を聞かせてもらっていろいろと考えさせられた。
中国市場が大きいと判断して、中国に進出した日系の化粧品メーカーも相当あった。だが、中国ビジネスをうまく進めている日系企業の話は聞かない。
中国に進出した日系化粧品メーカーに詳しい友人の指摘によれば、最近、撤退や規模縮小した日系化粧品メーカーが何社もあった。
撤退した会社を指折り数えていた友人は「中国市場の特徴を理解しようとしない。ひたすら自分たちの思い込みで中国でのシェアを取ろうとする。なぜこれらの会社はみんな同じような失敗を繰り返しているのだろうか。なぜ他社の失敗から学ばないのだろうか」と不思議そうな表情を浮かべた。