減速した中国の経済成長率を、我々はどう読み解くべきか? Photo:REUTERS/AFLO

 2014年の中国の実質GDP成長率は前年比7.4%と、2012年、2013年の同7.7%から減速した。2014年3月の全人代で発表された2014年の政府成長率目標は7.5%前後であり、それを下回るのはアジア通貨危機の影響が響いた1998年以来、実に16年ぶりとなった。

 一般には低成長への懸念が強調されるが、中国の産業構造はサービス化が進展しつつあること(高成長期から安定成長期へ移行)、2012年以降、生産年齢人口が逓減していること(2014年末の16歳~59歳人口は9億1583万人と、年間371万人減少)から、成長率が徐々に低下していくのは自然である。

2015年の消費のポイントは
住宅市場と自動車販売の行方

さいとう・なおと
1990年立教大学文学部卒業。山一証券経済研究所勤務。1994年~1997年香港駐在。1998年大和総研入社。2003年~2010年北京駐在を経て、2010年6月より現職。担当は中国経済、中国株式市場制度。近著に『最新中国金融・資本市場』(金融財政事情研究会、2013年)、『習近平時代の中国人民元がわかる本』(近代セールス社、2013年)、『中国資本市場の現状と課題』(資本市場研究会、2013年)。『中国改革の深化と日本企業の事業展開』(日本貿易振興機構、2014年、いずれも共著)。

 2014年の実質小売売上は、前年比10.9%増だった。2013年の同11.5%増から若干伸びが鈍化したとはいえ、底堅い推移と言える。

 2015年の消費のポイントは、家具・家電、居住目的の場合の自動車など広い裾野を持つ住宅市場、それに自動車販売の行方である。

 懸案の住宅市場には底入れの兆しが見える。ロイター社が集計する70都市新築住宅価格の前年同月比は、2014年9月に同-1.3%と下落に転じ、12月には同‐4.3%までマイナス幅が拡大したが、前月比は8月の‐1.1%をボトムに、12月は‐0.4%へとマイナス幅が縮小している。9月末の中央政府による住宅市場テコ入れ策の発表がセンチメントを改善させ、11月22日の利下げによる住宅ローン金利の低下が、これをある程度サポートしているのではないか。

 ちなみに、住宅販売金額は、2013年の前年比26.6%増から2014年には同7.8%減となった。ただし、単月のデータを作成すると、2014年7月の前年同月比17.9%減をボトムにおおむねマイナス幅が縮小し、12月は同4.2%の増加となっている。

 一方で、やや懸念されるのは、自動車販売の行方である。中国自動車工業協会によると、2014年の自動車販売は、前年比6.9%増の2349万台となり、2013年の同13.9%増から鈍化した。同協会は、2015年は同7%増程度と予想している。