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需給が緩めば一気に値崩れ――。ガラス製品は、装置産業故に供給調整が難しく、利益を安定的に積み上げにくい業界だ。象徴的なのが大手メーカーの日本板硝子で、身の丈を超える大型買収の後遺症から抜け出せず、いまなお経営不振が続く。特集『26年版・倒産危険度ランキング【危険水域408社】過剰債務企業に迫る「最終審判」』の#19では、構造不況に直面するガラス・土石製品業界の倒産危険度を検証。“危険水域”に沈んだ7社の顔触れを明らかにする。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
供給過剰に陥りやすいガラス業界
“危険水域”と判定されたのは7社
板ガラスは、景気や建設需要の波を受けやすい一方で、供給側がブレーキを踏みにくい。最大の理由は「窯」だ。いったん火を入れた生産設備は簡単に止められず、稼働を続ける限り製品が出続ける。需要が落ちても供給を絞ることが難しく、結果として過剰供給に陥りやすい構造を抱えている。
しかも板ガラスは、重くて単価が安い。輸送コストの負担が大きく、遠隔地への輸出で需給を調整するのにも限界がある。結局、国内・近隣市場での価格競争になりやすく、採算はぶれやすい。装置産業の宿命が、そのまま収益の不安定さに直結しているのだ。
こうした構造の厳しさを体現しているのが、住友グループの名門、日本板硝子だ。同社は2006年に、当時世界3位だった英ピルキントンの買収に踏み切った。世界6位の日本板硝子が約6000億円を投じた“背伸び”の勝負だったが、その後の市況悪化や“小が大をのむ”統合の難しさもあり、期待した成果を上げることができなかった。
25年3月期の純損益は138億円の赤字。25年4~9月期も42億円の赤字だ。いまなお業績不振が続く背景には、この大型買収の後遺症が色濃く残る。
ダイヤモンド編集部は、同社が25年3月期中から極秘に検討してきた自動車用ガラス事業からの撤退を見送ったことを報じた。さらに、巨額買収時の“不平等条約”によって現預金の大半を自由に使えない実態についても詳報している(詳細は特集『名門ガラスの亀裂 巨額買収に潜む罠』参照)。
ガラス・土石製品は国内で「縮む需要」と「重い設備」を同時に抱えやすい産業の一つだ。そこで今回、ダイヤモンド編集部が倒産危険度ランキングを作成したところ、7社が“危険水域”に入っていることが判明した。
このうち、日本山村硝子がワースト6位、東海カーボンが3位にランクインした。果たしてワースト1位はどこか。次ページでは、危険水域にある7社の顔触れを明らかにする。







