表面化されていない
「潜在ニーズ」をつかむ!

 最も効果的にお客さまに気づきを与える方法は、「お客さま自身が自覚していない、潜在ニーズに気づかせる」なのです。

 すでにお客さま自身が自覚しているニーズに対しては、競合他社も同じような提案をするはずです。これだけをあてにしていると、価格競争に巻き込まれます。そのため、付加価値をつけるには、まだ表面化されていない「潜在ニーズ」に目を向けなければいけません。

 潜在ニーズは、「言葉の裏にある本当の価値観」ともいえます。仮にお客さまが価格に価値を求めていて、「うちは、安い商品でかまわない」と口にしたとしましょう。

 このとき、お客さまの言葉の裏には、本人も気がついていない「安さを求める理由」が隠されています。商品の必要性を感じておらず、「安かったら買ってもいい」と思っているのかもしれませんし、「違うことにお金を使いたいので、この商品にはそれほどお金をかけられない」のかもしれません。あるいは、「この商品が大事なのはわかるが、いまはお金がないので出費を抑えたい」のかもしれません。

「安い商品でかまわない」という言葉の裏側を洞察していくと、お客さまの「本心」が隠されていることがわかるでしょう。そしてお客さま自身が、その本心に気がついていないことがあるのです。

 そうしたお客さまの潜在ニーズを探る手段は、ヒアリングです。ヒアリングによって潜在ニーズを把握できれば、お客さま自身も気づいていない本質的な課題を見つけることができます。潜在ニーズを満たす的確な提案ができれば、その提案こそが、営業マンの付加価値になり、「価格以外の価値」を提供することになるのです。